前向き抱っこのメリット、デメリット&注意点

最近、多くの抱っこ紐メーカーさんの商品の表記を見てみると、前向き抱っこOKとよく見かけますね。前向きはどのような抱き方でしょうか?いつからできますか?または前向きがあまりよくないという意見もあり、その点も解説しようと思いました。

前向き抱っことは、赤ちゃんが親の方(対面抱き)ではなく、親と同じ方向、所謂進行方向に向かせて抱っこすることです。

前向き抱っこは世界に興味を示し始める赤ちゃんに色々見せよう、楽しませようという考えで生まれたのでしょう。大体3-4か月頃、赤ちゃんの視力が良くなり、自分の身の回りに起きていることに興味を示すようになります。赤ちゃんは必死になって周りを見ようとするため、親はお子さんにより広く世界を見せたい気持ちになります。

しかし、海外では前向き抱っこは勧められていません。この抱き方はなぜよくないのでしょうか。

  • 抱っこする人が赤ちゃんの顔、表情を見ることができないため、赤ちゃんの様子を確認することができません。
  • 赤ちゃんが何かに恐れている時や驚いている時に、それは大丈夫だよというお母さんの表情がわからない。
  • 赤ちゃんが疲れていても刺激が多すぎて落ち着けない。ママが反対側にいるから頭を置くことができなくて、快適に眠ることができません。
  • 赤ちゃんの自然な姿勢を考えると、背中にちょっと丸みがあり、膝を上に上げた状態で足を広げるように座らせることが赤ちゃんの成長にとって理想的です。しかし、前向き抱っこの時の赤ちゃんの背中や足腰はなかなか自然の姿勢にはなりません。

このため、多くのコンサルタントが前向きだっこをお勧めしません。


最近、多くのメーカーさんもこれらの点を意識するようになりました。前向きがokというエルゴベービーも前向き抱っこの時間を20-30分程度にするように注意を呼び掛けています。*

前向き抱っこをどうしてもやりたい、やってみたい方のため、注意点も記載しようと思いました。

  • 前向き抱っこは5か月以下、または首が座っていない赤ちゃんにはダメです。
  • 前向き抱っこで赤ちゃんを寝かせないでください。
  • 赤ちゃんに負担をかけないように一日10分-15分程度にしてください。
  • 背中のパネルが赤ちゃんの首に当たらないようにしてください。
  • 赤ちゃんの呼吸を防ぐものがあるか常にチェックしてください。
  • 製造者、メーカーさんは前向き抱っこがokと指定している抱っこ紐のみ使用してください。
  • 抱っこ紐の取扱説明書を確認しながら行ってください。

前向き抱っこは親の判断で行うことです。**


では、興味津々の赤ちゃんに、どのように世界を見せればいいですか。

赤ちゃんが周囲の世界に興味を持ったら、そこは赤ちゃんの月齢、発達にあったおんぶや腰抱っこの出番です。

おんぶの場合は、赤ちゃんは親の肩の上から周囲の環境が見えます。腰だっこの際は、赤ちゃんが好きな方向に向くことができ、自分の目の前に世界が広がるように見えます。


資料

Kirkilionis, Evelin: A Baby wants to be carried, 2014.

Nine Reasons Not to Carry Your Baby Facing Out, bobafamily.com

*https://ergobaby.co.uk/blog/explore-the-world-with-baby-facing-out/

**こちらとしてはお勧めしない抱き方です。